偽装婚約~秘密の契約~
「あれ?2人…知り合いだったの?
ならちょうどよかった。
鬼灯さんの席、佐倉(サクラ)くんの隣にしようと思ってたから」
ジュ…ジュウゴの…とな…り?
呆然とするあたしの横で森乃先生はあたしを紹介する。
「鬼灯沙羅さんです。
今日からこのクラスの仲間になりました。
仲良くしてあげてください」
「…よろしくお願いします」
とりあえず頭を下げる。
「じゃあさっきも言った通り、佐倉くんの隣、座ってくれるかな?」
言われた通り、ジュウゴの隣に座る。
『なんでお前がここにいんだよ』
ジュウゴが横目であたしを睨む。
「…うっさい」
あたしも、ジュウゴを睨んだ。
佐倉 ジュウゴ(サクラ ジュウゴ)
コイツとは…まあいわゆる、犬猿の仲というやつだ。
小学校が一緒で、目が合えばいつもケンカをしていた。
本当なら中学も一緒だったんだが、
ジュウゴは私立へ行った。
やっと別れられた、そう思ったのに。
また…再会するだなんて。