偽装婚約~秘密の契約~
『へ~
俺は、ただの顔見知り?』
チャイムが鳴ってみんなが席に着くとジュウゴが話しかけてくる。
「うるさい。
なんか文句でもあった?」
『いや?別に?
でもまあ…』
ジュウゴはニヤニヤ笑いながらあたしを見る。
「何?言いたいことあるなら言ってくれる?」
ジュウゴ、変わってない。
最後に逢ったのは小学校の卒業式だ。
あのころから、何も変わってない。
喋り方も、性格も。
変わったところと言えば、外見くらい。
背が高くなって、ちょっと男前になっちゃって。
ま、でも晴弥にも瑞季さんにも勝てないけど。
『晴弥とただの知り合いは違うんじゃねぇーの?
晴弥の婚約者さん?』