偽装婚約~秘密の契約~
『あ、そうだった。
お前、ジュウゴと知り合いなんだよな』
とくに謝るワケもなく、ケロッとした顔で晴弥は言う。
「そんなこと、どうだっていいじゃん!
それより、契約規約の1つめ、破ったよね!?」
あぁ…と晴弥が呟く。
『俺の行動にお前の口だしは許さない。
沙羅は黙って俺に従えばいいんだよ』
めんどくさそうに吐き捨てる晴弥。
はっ?!
はぁ?!
はあああぁぁあぁ?!
発狂したいキモチを抑え、あくまでも冷静に言う。
「晴弥、何言ってるか分かってる?」
『もちろん』
即答だ。
「あたし、あんたペットじゃないの
分かる?」
晴弥は首の後ろを触りながら言う。
『お前、ちゃんと見たか?契約書』
え?
契約書…まあざっとなら見たけど。
『もう1回、契約規約をよく見ろ』
晴弥はそう言い残し、教室に帰って行った。