偽装婚約~秘密の契約~
教室に戻ったあたしは鞄の中を探る。
確か…鞄の中に入れておいたはず。
これはいつも身近に置いておかないといけない、
って思って契約書は持ち歩こうと思ってたんだ。
あ…でもこれ、なくしちゃヤバイ物でもあるか。
なんて思いながらA4の紙を見る。
『うわぁ…すげぇ本格的だ』
隣りからジュウゴが見ていることに気づき、慌てて紙を伏せる。
「見ないでよ!」
声が大きくなっていることに気づいて顔を伏せた。
『なんで晴弥はよりによってこんなヤツを選んだんだろ…』
なんて呟きが聞こえて、ジュウゴの肩を思いっきり叩いた。
ホント、ジュウゴは無駄口ばっかでうるさい。
とりあえずジュウゴに隠しながら契約書をみる。
契約規約、の太字の下を注目して読む。
1、この関係を他人に話してはいけない。
2、相手に惚れてはいけない。
そして…見つけてしまった。
これはナイって…
上の2つより小さめの文字で書いてある。
その言葉はあたしをどん底に落とす。
3、俺の言うことにいっさいの口出しを禁ずる