偽装婚約~秘密の契約~




『鬼灯さん!』


無事、授業が終わり教室にいると晴弥の声が聞こえてきた。


それと同時にきゃーぁという黄色い悲鳴が聞こえた。


「晴弥様が教室にいるっ!」

なんて興奮した声で言われても…ねぇ…?


『早く行けば?

晴弥の目がヤバイ』


後ろからジュウゴに囁かれて鞄を持って立ち上がった。



晴弥の1歩後ろを歩く。


ずーっと背中を睨む、あたし。

相当怖い顔で歩いていただろう。



『あのさ』

晴弥が後ろを向いた。


『その、睨むのやめろよ。

殺気がヤバイからな、沙羅』


呆れ顔で晴弥は言うが、呆れてるのはあたしのほうだ。



「あんなの…ズルイ。

気づくワケないじゃんか」


そう呟くと


『でもサインは取り消せない。』


晴弥はニヤッと笑う。


ホント…頭にくることばっかりだ。

晴弥と一緒にいると。










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