偽装婚約~秘密の契約~
『そして、遊馬家は探していたのです。』
「………何を?」
森本のおっさんは硬い笑顔を浮かべる。
『沙羅様のような方をです。』
あたしを…?
なんで…?
『その説明はまた後ほど。
そして、遊馬家は沙羅様のご両親にある話を持ちかけたのです』
ある話…??
『沙羅様を、遊馬家の次期社長と偽装婚約させる…と、いう話です。』
あたしを遊馬家の次期社長と偽装婚約させる…
遊馬家の次期社長?
偽装婚約…??
………………っ?!
も、森本!
あんた、何言ってんのよ?!
「ちょ、そんなの…いくらなんでも…っ!!」
『落ち着いて下さい』
森本のおっさんは信号が変わり、車を発進させる。