偽装婚約~秘密の契約~





「ジュウゴが…人気?」


とりあえず驚いたのがそのことだった。


あんなに生意気なのに?

あんなに口が悪いのに?



『はい。そうでございます。


ジュウゴ様は口数が少なく、あまり笑わないのですがときたま見せる笑顔が人気の理由の1つだそうです。』


はぁ?

何、ソレ。


「口数が少ない?あんまり笑わない?

それ…本当ですか?」


『もちろん』


だとしたら…それはおかしい。

何かの勘違いだ。



「瑞季さんはジュウゴの本当の姿、知ってますか?」


『もちろんです。

なんせ、晴弥様の親友ですので。』


晴弥の…親友。

そう言えばジュウゴ、言ってたっけ。



『俺、晴弥と仲良いから』


あれ…本当だったんだ。


親友…だったんだ。

うん、でも意地悪って言うか生意気なところはそっくりだ。








< 50 / 295 >

この作品をシェア

pagetop