偽装婚約~秘密の契約~
「ジュウゴが…人気?」
とりあえず驚いたのがそのことだった。
あんなに生意気なのに?
あんなに口が悪いのに?
『はい。そうでございます。
ジュウゴ様は口数が少なく、あまり笑わないのですがときたま見せる笑顔が人気の理由の1つだそうです。』
はぁ?
何、ソレ。
「口数が少ない?あんまり笑わない?
それ…本当ですか?」
『もちろん』
だとしたら…それはおかしい。
何かの勘違いだ。
「瑞季さんはジュウゴの本当の姿、知ってますか?」
『もちろんです。
なんせ、晴弥様の親友ですので。』
晴弥の…親友。
そう言えばジュウゴ、言ってたっけ。
『俺、晴弥と仲良いから』
あれ…本当だったんだ。
親友…だったんだ。
うん、でも意地悪って言うか生意気なところはそっくりだ。