偽装婚約~秘密の契約~
『晴弥ー!
ちょっと話があるんだ』
ジュウゴはそう言って晴弥の肩を押して、部屋に消えていった。
『本当にジュウゴ様と沙羅様は仲が良いんですね』
瑞季さんはニコッと笑う。
「いや、そんなんじゃないですよ!
小学生の時は毎日ケンカしてましたから!」
『それが仲が良い、って言うんですよ』
大人な笑顔で瑞季さんは笑っている。
癒される…この人の笑顔を見ていると。
「あ、そう言えば瑞季さんて何歳なんですか?」
『それは…執事の秘密です』
唇に人差し指を当て、悪戯っぽく笑う瑞季さん。
ヤ…ヤバイ…
今の顔はアウトだ。
どの女の子が見ても、ドキドキしちゃう。
そんな表情。
あー…ビックリした。
まだドキドキと音をたてている胸に手を当てて、深呼吸をした。