偽装婚約~秘密の契約~
Lesson 1





『では、沙羅様。

部屋着に着替えていただけますか?


これから、レッスンのほうを始めたいと思います』


瑞季さんはそう言うがレッスンって…なんだ?



『森本から聞いていると思いますが、明後日には晴弥様のご両親がお帰りになります。

なので、お帰りになる前にマナー、身だしなみをちゃんとしていただきます。


で、マナーのレッスンを今からしたいのです。

昨日は何もできなかったので、とても残念なことに今日は厳しくいくつもりなので心の準備もよろしくお願いします』


瑞季さんはそう言ってドアを指す。

あたしは言われるがまま、部屋に入り着替えた。


瑞季さんの…スパルタレッスン?


なんでだろ…

なんであたし、ドキドキしてるんだろ…


パチンと両頬を手で挟み、気合いを入れる。


お母さんのために。

お父さんのために。

何より、自分のために、頑張らなくちゃ。


ヤミ金に追われて、死にたくなんてないもん。


半年。

半年間だけ、あたしが頑張ればそれでいいんだから。



自分自身に気合いを入れ直し、ドアを開けた。







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