偽装婚約~秘密の契約~
全部、全部を芽依に話した。
偽装婚約のこと。
うちの借金のこと。
何もかも、全部。
ここへ来てまだ3日。
なのにいろんなことがありすぎて全部を話すのに30分以上かかってしまった。
晴弥はきっと、言うだろう。
『契約違反だ』
って。
契約のことは口外しない約束だったから。
でも、アイツに文句は言わせない。
晴弥だってジュウゴに言ったんだから。
あたしだって、唯一、友達と呼べる芽依に言う資格があるはずだ。
「なるほどね。
そういうこと。
通りでおかしいと思ってた」
そんな芽依の呟きに思わず、反応する。
「おかしいって何が?」
そう聞くと芽依は焦ったように首を横に振る。
「あ、いや、なんでもない」
そんな態度に何か隠されている気がしたが深くは追求しなかった。
今はそれより重大な問題がある。