偽装婚約~秘密の契約~
対面
『……沙羅様。
起床のお時間です』
「……んん…」
ね、眠い。
目…開けられません。
なんてことを言う気力もないくらい、眠くって。
『沙羅?モーニングキスしてやろーか?』
………モーニング…キス…?
「や、やめてっ!」
一気に睡魔が吹っ飛ぶ。
『何そんなビックリしてんだよ。
昨日、あんな甘ーいキスしたのにさ』
晴弥はからかうようにあたしを見ていて。
朝から真っ赤になるあたし。
「な、な、なんのことっ!?
あたし、そんな話、知らないなぁ~」
あはは~なんて笑いながら晴弥から逃げようとドアまで走る。
けど、
『なーに、逃げてんだよ?』
晴弥に腕を掴まれた。
つ、捕まった…
この、至上最悪の悪魔に。