偽装婚約~秘密の契約~
『沙羅。今日、早退するから』
「はっ?!なんで?」
今は車の中。
今日は晴弥の隣に座る。
特に森本は気にしていないようだ。
『言ってあるだろ、前から。
今日、父さんと母さんが帰ってくる』
「………あっ!」
そうだ。
そうだった。
今日…だっけ、帰ってくるの。
ってあたし…相当…ヤバイ…んじゃない?
『沙羅。
あんまり緊張しなくてもいいぞ。
父さんは口下手だから無口でいると思うけど、
でも、母さんはよく喋る。
きっと、お喋りな沙羅と気が合うはずだ。』
「誰がお喋りよ!」
なんて反論は当たり前にスルー。
ちくしょう。
ちくしょう。
…ちくしょう…!!
晴弥め…!
なんでスルーなワケ?!
一言くらいなんか言えってゆーのよっ!