偽装婚約~秘密の契約~
『お帰りなさいませ、晴弥様、沙羅様』
いつものように瑞季さんの出迎え。
もうさすがに4日目になると慣れる。
『瑞季、親父たちはいつ帰ってくる?』
『はい。
3時に空港に着くので、4時頃にはお帰りになるかと。』
『そうか。
沙羅、最後に瑞季とちゃんと段取りの確認をしておけ。
俺は部屋でちょっと休んでる。
とりあえず、ミスだけはするな。
絶対に沙羅を婚約者だと信じ込ませるんだ』
晴弥は1歩あたしに近づく。
そして耳元で囁いた。
とてつもなく、甘い声で。
『もし、うまく騙せたらいいこと…しような?』
真っ赤になるあたし。
『何想像してんだよ?沙羅。
じゃ、瑞季。
あと頼んだぞ』
晴弥はニヤッと笑って自分の部屋へ入って行った。
な…っ!
完全にっ!からかわれたっ!!
ムカつくーぅ!!!!