Eye-Contact
『なっ?!?!』
失礼すぎる……………
あたしは剣夜の腕を力一杯に叩いた。
パチーンと体育館に響く音と同時に
「いってぇッ~!!!!」
と剣夜が叫ぶ。
乱暴に立ち上がろうとするあたしの手首を剣夜が瞬時に力強く掴んだと思ったら
「…怒った?」
上目づかいであたしを見る剣夜に不覚にも胸が高鳴る。
『怒った』
可愛くない返事をすると
すこし困ったように笑って
「ごめん?」
『……うん』
「陽?」
『何?』
「…俺の中では誰よりも女の子だよ」
馴れない甘い言葉に顔を真っ赤にして…
でも、あたしを真っ直ぐ見つめる剣夜の暖かい想いでさっきまで荒れていた心が穏やかになるのを感じた。