Eye-Contact

『勝ったよ』

俺の言葉と同時に剣夜が陽の頭を優しく撫でた。
フワリ、と嬉しそうに…
すごく綺麗に笑ったのは

俺の言葉に?
剣夜の手に?
答えなんか聞きたくないけど



「…良かった。勝利祝いだと思ってお肉奮発して高いのなんだから」
クスクスと笑う陽

「すき焼き?」

「うん。剣夜が好きな、すき焼き」



胸が苦しい
苦しいのに懲りもせずに家に上がり込んでいる俺みたいな奴を…きっと馬鹿と呼ぶんだろう


「シメに悠翔の好物のすき焼きご飯にするからね」

『うん』



やっぱり馬鹿だ。
いちいち騒ぐな、心臓


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