オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
篁くんは仕事があるからって急いで帰ったし、
翼は右京さんに連れ去られた。
いつのまにか、教室にはあたしと藤岡くんのふたりだけだ。
膝の上の両手を握り、もういちど藤岡くんを呼ぼうとした瞬間。
藤岡くんがあたしを見た。
口はへの字、怒っているというより、拗ねているような表情に拍子抜けした。
ぽかんとしたまま見つめていると、藤岡くんがあたしに話しかけてくる。
「……オマエ、わかってんの?」
「へ?」
何を? そう聞き返すと、またそっぽを向かれる。