オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
カチッとカギをあける音がして、篁くんがドアを開く。
「……斎のトコ、行ってええよ」
そう言ってあたしの背中を押すから、あたしの足は前に進んだ。
戸惑うように振り向くと、ひらひらと手を振られる。
「俺らはこれからも“友達”やでー?」
――篁くんは、すごい。
あたしの気持ちを読んだみたいに、ピンポイントで答えをくれる。
『篁くんとは友達でいたい』なんて都合のいい考えを受け入れてくれる。
本当に、優しいひと。
「うん。
……ありがとう」
あたしは力いっぱいうなずいて、
篁くんに背をむけて、部屋の外へと歩き出した。