オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
――。
学校に戻って、階段を駆け上がって、屋上に向かった。
授業中だし、テスト前だし。
いる確率は低いはずなのに、ヘンな確信をもって屋上の扉を開く。
藤岡くんがいる、って。
「……あ」
屋上には確信どおり、いつもの場所でフェンスに寄りかかって座っている藤岡くんがいた。
突然現れたあたしを見て小さく声をあげる。
あたしは早足で藤岡くんに近づいた。
見下ろすように自分を見るあたしを、藤岡くんは少し驚いたように見上げる。
「……お前、休みじゃなかったんかよ。
来んなら連絡くらい――」
そして、藤岡くんの目の前に膝立ちになったあたしは、
その言葉をさえぎるように、藤岡くんの体を抱きしめた。