オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
「え……え、えっ?」
箱の中のショートケーキと藤岡くんとを交互に見つめると、藤岡くんがハッと笑う。
「誕生日だから一応な。
オマエが全部食えるよーに、わざわざ小さいの作ってもらったから、ちゃんと食えよ」
そして、カップと一緒に持ってきたのであろうフォークをあたしに手渡してくれた。
「い、いただきます」
フォークで刺したケーキのかけらを口にいれる。
瞬間、広がるほどよい甘さ。
思わず口元が緩むほどおいしくて、次々と口にケーキを運んだ。
そんなあたしを見て、藤岡くんは優しく微笑んでくれていた。
こんなに嬉しいことないよね。
本当に……幸せ者だな、あたし。