オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
驚いたけど、藤岡くんがあたしの背中をたたいてくれて少し落ち着く。
藤岡くんの呼吸が耳の近くで聴こえた。
「確かにアイツとはケンカ別れしたけど、
オマエのおかげでまた会って理解し合えたし、もういい」
優しく、なだめるような口調。
「あたしの……?」
「ああ。オマエがいたから、アイツと会えた」
「でも……あたしのせい、で、ケンカ……ッ」
ふたりが仲悪かった原因に、たぶんあたしもいたよね?
飲み込んだ言葉を汲み取ったように、藤岡くんが背中に回した腕の力を強める。
「俺がオマエをアイツに渡したくなかっただけだ。
オマエは何も悪くねぇって」
嬉しくて、涙腺こわれた。