オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
ひとり納得して我にかえったとき、藤岡くんはもうあたしを見ていなくて。
「そういや、オマエなんか欲しいもんとかあったか?」
コーヒー片手にあたしに質問をしてきた。
あたしが「なんで?」と聞き返せば、
「誕生日だろが。プレゼント」
「え……だってケーキ……」
「ケーキだけで充分かよ。物欲ねぇな」
からかうように笑って藤岡くんがカップを傾けてコーヒーを口にふくむ。
ケーキのほかにも、くれるの?
え、じゃあそれなら。
「藤岡くんが欲しいっ」
あたしが大真面目にそう言ったとほぼ同時、
藤岡くんがちょうど飲み途中のコーヒーをカップのなかに噴き出した。