オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
放課後。
コイツのテリトリーである立ち入り禁止の屋上に突然現れたあたしを、フェンスに寄りかかって座っている藤岡は訝しげに見上げる。
「……何の用だ」
「だから一発殴らせろって言ってんだコノヤロウ」
笑顔でそう言えば、藤岡はさらに眉間にシワをよせる。
睨まれてもあたしは怖くねぇぞ。
あたしの親父は元ヤンだからそんなのは慣れっこだ。
「……遠慮しとく」
「は? 何でだ」
「あ゛ぁ? 何で俺が見ず知らずの女に殴られなきゃなんねぇんだっつの」
「女とか男とか関係ねえだろ。ンだよ、男だったらケンカしてやるってのか?」
藤岡の目の前にヤンキー座りでしゃがむと、なんかすごく面倒くせぇコイツ的な顔をされた。