オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~




「落ち着いて落ち着いて、ね?」




デッキブラシ色の目に優しい通り越して痛いカーディガン着た茶髪は、子供をなだめるようにあたしの頭を撫でる。

誰だコイツ。

先輩か?




とりあえず……笑顔が胡散臭くて鳥肌たつ。




「触んな」

「えー、冷たいなぁ」




そうして頭から手が離れたと思ったら、今度は後ろから腹に腕を回される。




「ぎゃッ!? 気持ち悪い離せ!!」

「離したらキミいっくんに殴りかかるでしょ。いっくん女とか関係ナシに売られたケンカは高値買い取りだから危ないよー」




いっくんって藤岡か!?

何コイツ藤岡と知り合い!?




つか、ぎゅってすんなほんと気持ち悪い!!




回された腕に、

耳元での呼吸に、




ぞわぞわと鳥肌がたって。






「は……なせっつのコラァッ!!」






――気づいたら、




茶髪の顔に裏拳をおみまいしていた。





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