オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
「……いったー……ッ」
ちょうど目と目のあいだに当たったらしいあたしの拳。
茶髪は顔を手でおおってしゃがみ込む。
……ちょっと、まずいかもしれない。
「わ……悪いとっさに……」
あたしが体ごと後ろを向いて向かい合うと、茶髪は指と指のすき間からあたしを見てきた。
そしてそのままあたしの顔をじっくりと見つめてから、
「……へぇ……こんな子いたんだ」
悪寒が走るほどの妖しい笑みを浮かべた。