オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
「……た、ぶん」
舌がうまくまわらないまま答える。
「たぶん?」
「……じゃ、ぜったい……」
「じゃあ、って」
小さな笑い声。
そのあと、藤岡くんは黙って。
少しのあいだあたしたちのあいだには、しゃくりあげる声だけが響いた。
あたしの背中を一定のリズムで藤岡くんがたたく。
安心した。
「……藤岡、くん……すき」
「……ん」
息を吸えば、藤岡くんのにおい。
「だい……すき……」
「……あー、うん」
涙を流せば、ぬぐってくれる指。
「……俺も、好きだけど」
ぜんぶぜんぶ、すきです。