オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
自分からキスしたのに、藤岡くんも少し照れてて、ドキドキしてるのあたしだけじゃないって安心する。
キスの余韻にひたるヒマもなく、あたしはポーチから急いで鏡を取り出した。
本当にマスカラが落ちて、目のまわりが黒い。
……ウォータープルーフだったんだけど。
「藤岡くん、どうしようこれ」
「知らねーよ」
そう言いながら、立ち上がる。
あたしも立とうとしたら止められた。
「足。絆創膏でも買ってくる。ついでにメイク落とすヤツも」
ぽん、と頭に藤岡くんの大きな手。
「ここで待ってろ。なんかあったら電話していいから」
そして、ポケットに手をいれながら人通りの多いほうへ歩いていった。