オオカミいっぴき。~クールな不良と甘々❤ラブ!~
「……いっくん、やるー」
「……マジかよ」
影から絢たちを見ていた、あたしとコイツだが。
ぶっちゃけあたしは突然すぎる展開についていけない。
「ほら、やっぱりいっくんも絢ちゃん好きだったんだよー」
「や……別にそれはいんだけどよ……なんでいきなりキスすんだよ。気持ち悪ぃ」
口に手をあてて気持ち悪いポーズをとる。
だって、口と口がくっつくんだぞ?
いくら好きなヤツだからっていきなりは耐えられねえだろ。
だけど、キスというものに嫌悪感まるだしのあたしにバ会長は微笑みながらその端正な顔を近づけてきた。
後頭部をつかまれて逃げられない。
ムダに近い距離に眉間にシワが寄る。
「……んだよ」
「する?」
「何を……っ、」
唇をよせてあたしの耳に息をそそぐ。
突然のことに体が跳ねた。
クス、と笑う声がダイレクトに響いて、そのまま囁かれる。
「……キス」
瞬間、あたしの顔は、なぜか熱くなった。