掻きむしり
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俺の体がまどろみに包みこまれようとしていた時、外が騒がしくなってきた。

このまま寝てそのまま死ぬのも良いかも知れない…。

俺はそんな事を思いながら気だるくベッドから窓口を見た。

その光景はきらびやかな赤だった。山も街も赤に食われていく。空は煙で雲が炭になっていく。

奴らだ。奴らが山も街も全てを燃している。この病院だって例外じゃない。
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