掻きむしり
俺が何をしたんだ…。

もう死ねって事か…?

そう思いながら俺はえぐれている箇所にあった手を頭に持っていき掻きむしった。

そうして全力で走り続けると追手は一人、また一人と少なくなっていき、遂には誰もいなくなった。

やっと一息つける…。

俺が安堵した瞬間に痛みが襲う。出血も止まらない…。

クソッ、これじゃあ失血死になってしまう…。

俺は服を脱ぎ患部に巻き付けた。
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