蝉時雨【短編】

周りを見渡すが、さっきまであった影がない。

……逃げやがった。

正面には額に青筋を浮かべた先生。

もとはと言えば、先生が昼寝したからこうなったのに。

「ま、とりあえずお前だけでも確保だな。
帰ったら課題は二倍だぞ」

あぁ、やっちゃった。

先生に右手を掴まれた。

「おい、伏せろ!」
< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop