トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
恋 心
電車に揺られている間も、あたしはずっと優のことばかり考えていて―…。
気付いたら、家の前まで着いていた。
「ただいま〜」
リビングに顔を出すと、キッチンで夕飯準備に取り掛かっていたお母さんが、慌てたように駆け寄ってきた。
「美衣っ!?
ただいま以外にも、他に何か言うことあるでしょ?
昨日から何度も電話してるのに、携帯の電源は切ってあるし!
一体、連絡もしないで昨日はどこへ行っていたの!?」
…あっ…!!
やばい……。
お母さんに言われるまで、気付かなかったくらい…
あたしはすっかり
連絡を入れるのを忘れていた…。
「ごめんね、連絡するの忘れちゃって…。」
「忘れちゃったじゃないわよ!
心配したんだからねっ!
もうハタチだし、外泊は許可しているけど。
必ず連絡を入れることが条件だったでしょう?」
お母さんがこんなにも怒ってしまうほど。
それくらい、心配させちゃったんだよね…。
「…ほんと、ごめんね。
今度からは必ず連絡するから…。」
心配かけて
ごめんね、お母さん…。
「…今日の夕飯は、美衣の好きなハンバーグだから。早く手洗ってらっしゃい。」
そう言って、再びキッチンに戻っていくお母さん。
「うん!」
お母さんはいつだって優しいんだ――。
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