トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
「とりあえず、二人ともそこに座れ」
社長は自分が座っている真向かいのソファーを顎で指した。
「失礼します…」
俺と長井さんは、ふかふかと柔らかいソファーに腰を下ろす…。
「なんで呼ばれたのか、わかるか?」
「…いえ…わかりません…」
その質問に、俺は素直に答えた…。
本当に、俺には思い当たる節が見当たらないのだ…。
すると、社長の顔はますます険しい表情へと変化していく。
鬼の形相とは、こんな顔のことを言うのだろうか…。
「オマエは先週、例の彼女と温泉旅行に行ったな?」
―…………!!!
「…え?」
その瞬間、
心臓が突き上げられた…。
どうして
知るはずもない社長が…
…そのことを…!?
「その旅行現場を、マスコミに撮られちまったんだよ…。」
―…………!!!
「……えっ?」
社長の口からは
信じられない言葉が飛び出して…。
俺は、驚きと動揺を隠すことができない。
マスコミに撮られるなんて…
そんなこと
想像すらしていなかった…。
だって俺は…
マスコミの目を避けるためにも、あの場所を選んで行ったはずなのに…。
それがこんなことになるとは……。
まさか―…!
俺はずっと、マスコミに張られていたのか…?
それで、旅行先まで着けてこられた…?
「―…………」
そんなことを考えただけで、一気に血の気がひいていく…。
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