トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
「おはようございます」
衣装に着替え、ヘアメイクも済ませた俺は、すれ違うスタッフたちに挨拶をしながらスタジオへと入る。
―…だけど、
なんだかスタッフたちの様子がおかしく、みんな眉間にシワを寄せながらバタバタと騒がしい…。
なんだ…?
なんかあったのかな…?
俺の近くにいたスタッフのひとりも、
「参っちゃうよなぁ〜…」
と呟きながら、険しい表情を浮かべている。
「…なんかあったんですか?」
俺は気になって、その人に尋ねてみた。
「いや〜ぁ…、
聖花ちゃんが控室に篭ったきり、出て来てくれないんだよ。
今日は仕事ができるような精神状態じゃなくなったとかでさぁ…。
今日はもう帰らせてほしいの一点張りみたいで…。
今、マネージャーと女性スタッフとで説得してるみたいなんだけどねぇ…。」
「…え?」
聖花ちゃんが…?
「いきなり、どうして…」
「どうして…って、白々しいなぁ〜。
それは優くんが一番わかってんじゃないのー?」
―…………!!
そう言われて
ドクンッと心臓が跳びはねた。
「ったく、主役がいないんじゃ、撮影が進まないっつーの!
いくらなんでも、プロ意識なさすぎだろ〜。
これだから我が儘女優は困るんだよなぁ…!」
そのスタッフは俺にそう言い捨てると、どこかへと行ってしまった…。
「―……………」
俺のせいだ…。
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