トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜


「――――キャッ!!」



聖花ちゃんはドアの前にいる俺に気付くと、甲高い悲鳴と共に、華奢な体をビクンッと跳ね上げた。




「…聖花ちゃん…」


その大きな瞳からは涙が溢れ、鼻の頭は赤くなっている…。



俺のせいだ―…。



「…聖花ちゃん…ゴメン…」



俺と目が合うと、聖花ちゃん瞳からは、みるみるうちに涙が溜まり、顔が歪んでいく…。



だけど瞬時に、その潤んだ瞳は俺をキツく睨みつけた―…。




「…どいてよっ!

今は優くんの顔なんか見たくないんだからっ!!」



"邪魔!"と言わんばかりに、ドアの前に立つ俺を、華奢な腕で押し退けようとした…。




「…待って!!」


俺はその腕を咄嗟に掴んでいた―…。





「―………!!」


聖花ちゃんはびっくりしたのか、目を見開かせたまま黙って俺のことを見ている…。




「…俺、聖花ちゃんにちゃんと謝りたいんだ…。

少しだけでいいから、俺の話聞いてもらえないかな…?」



.
< 237 / 337 >

この作品をシェア

pagetop