トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜


俺はその場にゆっくりとしゃがみ込み、両膝を床に落とし、両手を床に付けた…、その時―…。




「…バッカじゃないの…」


頭上から、聖花ちゃんの声が降り懸かり。

俺は顔を上げた…。




「…ほんとに土下座しようとするなんて…

バカみたい…バカだよ…。

優くんには、プライドってもんがないわけ…!?」



罵倒する言葉とは裏腹に、聖花ちゃんの瞳からは大粒の涙がポタポタとこぼれ落ちている…。



「…聖花ちゃん…」




「…もう…いいわよ…。

今ので優くんの気持ちがよくわかったから…。」



聖花ちゃんは、溢れる涙を手で拭うと。

俺を真っ直ぐに見つめて、手を差しのべてきた…。



「―………?」



俺は、差し出されたその白く細い手を見つめていると…。




「…早く立ってよ…。

こんなとこをまたスタッフの誰かに見られたら、また週刊誌に何書かれるかわかんないじゃない…」




……聖花ちゃん…。



「…うん…」


俺は差し出された手を借りて、立ち上がった。




「…羨ましいよ…、
優くんの…彼女が……」


俺にしか聞こえないくらい小さな声で。
聖花ちゃんがそう呟いた。



「…悔しかった…。

そこらへんにいる、フツーの子に負けた気がして…。」


その瞳からは、また一粒の涙が頬を伝っていく…。



「…聖花ちゃん…」





「でも…

そのコは優くんを虜にしちゃうくらいなんだから…

きっと素敵なコなんだろーな…。」




切なく笑うその表情に…

俺の胸には痛みが駆け抜けた…。




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