トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
ため息をつきながら、愛が出て行ってしまった教室のドアを見つめていると…。
なんだか後ろから、熱いほどの視線を感じて。
恐る恐る振り返ってみれば…
「…うっ…!」
「み・いちゃん♪」
なんて、ニターっと怪しげな笑みを浮かべている真央がいて。
まさか…
「…なっ、なにっ!?
先に言っておくけど、あたしも無理だからねっ!?」
と、言われるその前に、固く念を押しておく。
「えーっ!!!
美衣まで、そんな冷たいこと言わないでよ〜ぉ!」
…そう言われてもなぁ…。
「あたしからの一生のおねがいっ!!
どうしても、優くんに会いたいのっ!!
あたし、なんでもするからっ!!だから…ねっ!?
お願い〜!美衣〜!!」
『……うぅぅ…』
優に会いたいその熱い想いは、十分すぎるほどに伝わってきたけれど…。
だけどもし…。
あたしが、握手会に行ったとしたら…。
優はどう思うのかな…。
「美衣さまっ!
このとおりですっ!!
どうかお願いしますっ!!」
真央は顔の前で両手を合わせて、頭を下げている。
真央がここまでしてくるなんて…
「…そんなに、会いたいんだ?」
「うんっ!!会いたいっ!!
優くんに会える貴重なチャンスを無駄にはしたくないのっ!!
でも…ひとりじゃ勇気が…」
"優に会える貴重なチャンス"…か…。
「…わかったよ。」
真央のその熱意には、さすがのあたしも負けました…。
なんて
そんなのは自分が優に会うための口実にすぎなくて…。
ほんとは
"優に会いたい"と
そう思う自分がいたから―…。
「ほんとにほんとっ!?
ありがとーぉ!!
美衣、だいすきっ♪」
満面の笑みをこぼした真央に、飛びつかれて。
『ありがとう』を言わなきゃいけないのは
あたしの方だと思った―…。
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