トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
そして…
握手会はスタートした。
高鳴る鼓動を必死で抑えていると…
あっという間に、あたしたちの整理番号が近づいてきて。
心の準備ができていないまま、優がいる、書店の中へと歩き進んだ――…。
こじんまりとした書店の中は、順番待ちの列が帯びていて。
みんなの熱気のせいか、エアコンの効きが悪いようで、蒸し暑い。
今いるあたしの位置からは、優の姿はまだ見えないけれど…。
並んでいる列の流れは、とても早くて。
きっと一人当たりの優との接触時間は
わずか数秒…
といったところなんだろう…。
そんな数秒という短い間に
あたしは優に
なんて声をかけたらいいんだろう…?
そして…
数秒という短さでも
優はあたしだと
ちゃんと気付いてくれるのかな…。
そんなことを考えていたら、あたしの緊張はピークに達してしまい…
今にも口から心臓が飛び出してしまいそうなくらいだ…。
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