トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜

優の目の前に行き…

すでに差し出されている優の手に、そっと自分の手を重ねる…。



久しぶりに握る、優の手…。

骨ばっていて。

長い指をしていて。

細くて、でも大きい…

大好きな、大好きな…、
その手は―…

ひんやりと冷たかった…。



握手をしたまま、
あたしはゆっくりと顔を上げると―…




「―………!!!」


優の大きな瞳と、バチッと目が合った。





その瞬間―…


あたしの心臓はドクンッと、大きく跳びはねて―…



目の前にいる優は…

あたしの顔を見た瞬間、

その大きな瞳をさらに大きく見開きながら、とても驚いた表情をしている。




『…優は、あたしだって…気付いてくれたんだね』



時間にすれば
たったの5秒くらいだろうか…?


あたしと優は、ただただ互いの目を見つめ合っていた…。



その間だけ

時が止まっていたような

そんな気がした…。





あたしの頭の思考回路は完全に停止して。

体が硬直してしまったように、動かなくなる…。




そんなあたしに

「はーい、前に進んでくださーい。」

背後から、係員の男性に催促されると。

背中を押され、優から引き離されてしまった…。






.
< 33 / 337 >

この作品をシェア

pagetop