トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
優の目の前に行き…
すでに差し出されている優の手に、そっと自分の手を重ねる…。
久しぶりに握る、優の手…。
骨ばっていて。
長い指をしていて。
細くて、でも大きい…
大好きな、大好きな…、
その手は―…
ひんやりと冷たかった…。
握手をしたまま、
あたしはゆっくりと顔を上げると―…
「―………!!!」
優の大きな瞳と、バチッと目が合った。
その瞬間―…
あたしの心臓はドクンッと、大きく跳びはねて―…
目の前にいる優は…
あたしの顔を見た瞬間、
その大きな瞳をさらに大きく見開きながら、とても驚いた表情をしている。
『…優は、あたしだって…気付いてくれたんだね』
時間にすれば
たったの5秒くらいだろうか…?
あたしと優は、ただただ互いの目を見つめ合っていた…。
その間だけ
時が止まっていたような
そんな気がした…。
あたしの頭の思考回路は完全に停止して。
体が硬直してしまったように、動かなくなる…。
そんなあたしに
「はーい、前に進んでくださーい。」
背後から、係員の男性に催促されると。
背中を押され、優から引き離されてしまった…。
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