トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜
それから、どれくらいの時間が経っていたのだろう…?
放心状態のあたしは、気付けば真央とファミレスに入っていた。
「はい、アイスティー」
そう言って、真央があたしの分のドリンクも持ってきてくれると、あたしの目の前にそっと置いてくれた。
「…ありがと」
あたしはストローをさすと、飲み物を口に運ぶ。
スーッと喉を通っていく液体が、とても冷たくて気持ちがいい。
やっと少しずつ放心状態から戻りつつあるあたしは、張り詰めていた緊張感からも解き放たれて、一気に気が抜けてしまった。
「はぁ…」と、思わずこぼれる、小さなため息。
「美衣、大丈夫?
生の優くんがあまりにもかっこよすぎるもんだから、失神しちゃった?♪」
なんて、茶化してくる真央。
「…ほんとあたし…、
どしちゃったんだろね…。ははっ…」
無理に作ってみせた笑顔は、きっと引き攣っているに違いない…。
「無理もないよね〜!
あのかっこよさは犯罪並みだもんっ♪
そっかそっかぁ、美衣もすっかり優くんの虜になっちゃったかっ♪」
ひとり納得して、頷いている真央。
真央がそう思ってしまうのも、無理もないよね…。
知るはずもない
あたしたちの"関係"…。
もちろん
話すつもりもないけれど…。
だけれど、
胸の奥がほんの少しだけ
"チクンッ"と痛んだ…。
.