僕の好きな人
「知らなかったっけ?あれは僕の教え子。」
「それ、しりませんよ!」
「あ、そう?彼が高校2年の時に
担任やってたのさ。意外だよ。
数学大嫌いだったあいつがなんで
数学教師になってるのさって。」
「へぇ~。」
「3年の球技大会のときだったかな?
優勝して喜んでるのに、
一人で目を真っ赤にして泣いててさ、
そんなに嬉しいのか!って聞いたら
そん時好きだった子にフラレたんです~って泣いてて。」
「・・・・・。」
「それから当分、昼になっても
飯を食ってる姿見ないぞって話になって、
飢え死にする気なんじゃないのかって
皆で心配したこともあってさ。
いまでも小食みたいだな。」
三上先生曰く、スッゴク変で、
スッゴク手をやいたらしい。
「無事に大学決まったから、
もうしらねーって思ってたら
ケロッとくるしさ。
ついでに相変わらずあんまり
飯を食わないしさ。
死ぬきかってな。」
なんて先生だ。
ってか、こんな変な思い出ばかりある
浅井先生も浅井先生だな。
そう思う意味で、もう一度先生を見た。
もうご飯は終えていた。
そして先生はどっかにいいっていた。
「とにかく、そんな変な先生に影響されちゃ
駄目だよ。集中して、大学受験頑張ろう!」