スタンド・アローン
 同じ学校の生徒なんだから、俺が遅刻寸前なら当然ながらレオも遅刻寸前だ。

「のんびり構えとる場合かい。おのれこそ遅刻やないかい」

 ジト目のツッコミに、しかしレオは涼しげに答える。

「うむ、それは困ったことだな」

「困ったらちぃとは慌てろやああっ」

 思わず裏拳でレオの胸板を小突く。

「何が悲しゅうて、朝っばらからコントせないかんねん」

 クスクスと笑い声が聞こえて上を見ると、女子二人が腹を抱えて笑っている。

「見てみい、笑われとるやないかい」

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