スタンド・アローン
 異種格闘技の少年大会であるアルティメット・ユース。

 去年の決勝トーナメントで、俺は真っ向からガン飛ばしてくるディアナと対戦していた。

「…男のくせに、本気出すなんて…」

 険しい表情のままで、ディアナは呟く。他の女子達も、俺を睨む。神逆を除いて。

「男のくせに、だと?」

 俺はディアナを睨み返し、言い放つ。

「強さを求める者に、男も女もない。それくらい分かってて出たんじゃなかったのかよ」

 いるんだよな。

 駆け引きだの強さの探究だの言いながら、いざとなると弱者の立場を利用するやつ。
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