スタンド・アローン
「思い出しましたか?」
姿勢を崩さないまま、シオンが言う。
「まさか、あの時の捨て台詞を真に受けて追って来たって言うのか」
気を取り直して、俺は鉛筆を構える。
シオン・ハルトマン。
春の雷台祭の時、会場で鉢合わせした留学生。
確か、陵明女学院だったと思う。
学生新聞か何かの取材で観戦に来ていた何人かの内の一人だ。
お嬢様学校の陵明が、なんだって格闘技の試合を見に来たのか。
妙だとは思った。
後で聞いた話だと、シオンたっての希望で実現したらしい。
数年前に衛星放送で試合を見てから俺に興味を持っていて、生で観戦したくて来日したという。
と、言うより。
シオンの関心は、俺にあったようだ。
姿勢を崩さないまま、シオンが言う。
「まさか、あの時の捨て台詞を真に受けて追って来たって言うのか」
気を取り直して、俺は鉛筆を構える。
シオン・ハルトマン。
春の雷台祭の時、会場で鉢合わせした留学生。
確か、陵明女学院だったと思う。
学生新聞か何かの取材で観戦に来ていた何人かの内の一人だ。
お嬢様学校の陵明が、なんだって格闘技の試合を見に来たのか。
妙だとは思った。
後で聞いた話だと、シオンたっての希望で実現したらしい。
数年前に衛星放送で試合を見てから俺に興味を持っていて、生で観戦したくて来日したという。
と、言うより。
シオンの関心は、俺にあったようだ。