労働の価値 その2
--- 6-5 ---

逆に、
「ぜんぶで同じ基準」の商品は、
商品の集まりから、
仲間はずれにされる。

「ぜんぶで同じように測られる姿」から、
仲間はずれにされる。

というのも、
自分で自分の基準にならなければならないからだ。

布のように、
「ぜんぶの」基準になっている商品が、
「基準」になったままで「測られる」というのは、
そういうことだ。

そうすると、
「布2m = 布2m」という式ができるのだが、
これは無意味な式だった。

布2mに価値があることも、
その価値の大きさがどのくらいかも、
あらわされるない。

「ぜんぶの基準」を測るには、
むしろ、
もとの式の左右をひっくり返さなければならないのだ。

なぜなら、
「ぜんぶの基準」は、
ほかの商品のようには測れない。

だから、
自分ひとりだけが、
ほかのぜんぶを相手にして「測られる」ことになる。

こうして作られた新しい「いろんなふたつの関係」。

こんどは「基準」の商品を測るという、
特別なことをすることになる。

< 113 / 426 >

この作品をシェア

pagetop