労働の価値 その2
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金がおかねになっているのは、
むかしそうだったからなのだ。

むかしは金も、
ほかの商品と、
商品として交換されていたのだった。

ほかの商品と同じように、
ふたつだけの交換だったり、
いろんな商品と同時だったりした。

けれど、
とにかくそんなふうに、
基準として使われていた。

それがやがて、
「ぜんぶで同じ基準」に変わっていった。

この役目が、
あちこちで通じるときも、
決まったところでしか通じないときも、
あったけれど。

そしてついに、
この役目をひとりじめするようになって、
金はおかねになったのだ。

そしてひとりじめしたとき、
「基準ひとつの関係」は「おかねの関係」に変わるのだ。

≪おかねは金とは限らない。
日本のように、銀、あるいは金と銀の両方が、用いられる例もある。
金が用いられる場合は、金本位制と呼ばれる。≫

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