労働の価値 その2
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上着1着と布2m、
となったとき、
上着と布は、
同じもの、
「同じような感じの労働」を、
目で見てわかるようにしたものだ。

だがもともとは、
上着を作る労働と、
布を作る労働は、
同じでない。

上着を作る「縫いあわせ」の作業と、
布を作る「織りあげ」作業は、
違った種類の労働だ。

しかし、
いろんなひとびと、
いろんな民族・時代があるのであって、
なかには、
こんなことも、
あったのだ。

つまり、
ひとりのひとが、
今日は織りあげ、
明日は縫いあわせる、
そんなふうにしていることだ。

つまり、
織りあげと縫いあわせは、
「同じようなもの」だと言える。

「同じよう」に、
一日、
汗水たらして、
働いたのだ。

ちょっと違うふうに、
「汗水たらした」だけである。

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