労働の価値 その2
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商品という姿は、
お金持ちがものをつくるやりかたのなかでも、
いちばんふつうで、
そのはじまりになっているものだ。

だから、
商品という姿は、
もっとむかしから現れている。

もちろん、
いまわたしたちがみているのとは違う。

いまのように、
ひとを支配するという、
特別な姿ではないけれど。

だから、
もっとかんたんにみつかってもいいはずだが。

商品という姿には「モノのオバケ」なところがある、
ということは。

なにしろ むかしは、
いまの商品より「かんたん」だから。

なのに、
こうした「かんたんな」商品でも、
ひとつひとつをよくみたら、
「かんたん」でなくなってしまう。

それほどまでに商品は、
「かんたん」ではないのだった。

たとえば、
金に注目した学者たちは目がくもっていた。

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