労働の価値 その2
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さて、
商品の持ち主と、
商品。

どちらも、
ほかの「なかま」と、
向き合っている。

ではふたつは、
どこが違うのか。

商品にとっては、
ほかの商品は、
自分の価値をあらわすもの。

それだけのものでしかない、
ということだ。

だから商品は、
うまれつき、
平等で冷静だ。

いつも、
自分の見かけがどんなにひどくても、
ほかの商品と自分のあいだで、
気持ちも見た目も、
取りかえてしまう用意をしている。


だから商品は、
自分の見た目には なにも、
感じていない。

持ち主が、
それを感じ取る。

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