労働の価値 その2
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ひとつめ。

どんな持ち主でも、
自分の商品をひとにあげるしか、
できないのだ。

自分が欲しいような、
そういう使いみちの商品と、
交換で。

しかし、
「あげる」ということならば、
交換するのは、
このひとの自分だけの、
勝手にできることなのだ。

しかし、
ふたつめ。

このひとは自分の商品を、
「価値」だと言おうとする。

ほかの商品を相手にして、
示そうとする。

同じ価値になっているなら、
ほかのどんな商品でも、
いいのである。

だから じつは、
どうでもいいのだ。

自分の商品は、
ほかのひとに、
使いみちがあるか、
が どうでもいい。

「価値」が同じであれば、
いいのだから。

ただし、
そういうことでいうと、
交換は、
自分の勝手にならないのだ。

「価値」が同じ、
というのだから。

つまり、
ほかのひととのつながりから、
進め方が決まっている、
どこでも同じようなことがらだ。

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