労働の価値 その2
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つまり持ち主は、
それを「布に使おう」とは思わない。

それよりも、
「布という使いみち」の固まりだ、
それだけだと考える。

そういうことだ。

物は、
人間とはべつのものだ。


だから、
ひとにあげたり、
できるのだ。

ひとがおたがいに、
物をあげあうことができるためには。

いわれなくても、
その物の持ち主は自分だけだ、
となっていること。

そしてそのために、
おたがいに、
自分で自由に決められること。

そういうふうになっていて、
そうして相手と向きあっている。

そういうふうでなければならない。

しかし。

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